昔、おじさんの家に行くとやらされていたことがあった。
「今思えばあれは呪いをかけさせられていたのかなと思うんですよ」
戸田さんとします。
よく、おじさんの家に来ると二階にある六畳の和室に連れてこさせられ、
ボロきれで作られた150センチほどの粗末な人形に向かって、
「死んでください」と祈らされることがあったのだという。
人形には、誰かの写真があって、
それは女性だった。
その女性は見たことがなかったが、わりかしきれいな若い女性だったのを覚えている。
それから何週間かして、
同じように二階で、お祈りをしていると、
隣の部屋から女性の遺体が見つかったとちょっとした騒ぎになった。
それから、何年かして、
おじさんと隣人の女性とは不倫関係にありそれがこじれていたんだと知る。
母親は、おじさんを毛嫌いしていたので皮肉るように、
「恥さらし」みたいに呼んでいたのだが、
やがておじさんも行方が知れなくなってしまう。
あとになって気づいたが、あれは呪いだったのではと思ったが、
最初こそ何も知らずにやっていたが、面倒になり適当にやっていたのでそのせいで呪ったおじさんの身に何か起きたのではないかと思ったのだが、おじさんは未だ見つからず、自分にも何もないのだというが、あとになって、隣人の部屋からおじさんの部屋にあったのと同じような人形が見つかったという。
だから互いに呪いあっていたのではないかと戸田さんは推測している。