エンゼルさん 投稿者:R

私が小学3年生だった時の話です。

私のクラスでは、こっくりさんとエンゼルさんが流行していました。
放課後になると女子たちが集まり、今日はこっくりさん・明日はエンゼルさん…といった調子で気軽に行っていたのです。
私もその中の一人でした。

運が良いのか悪いのか…
こっくりさんもエンゼルさんもいつも何事も起こらずに終わっていたので、私達にとってはオカルト的な遊びというよりもおにごっこやどろけいと同じ類の「いつもの遊びのひとつ」になってしまっていました。
本来はオカルト的な怖いものだという意識がすっぽり抜けてしまっていたのです。

その日もいつもと同じように友人からの「エンゼルさんをしよう!」という声かけで、放課後の教室に残っていました。
いつも通りの手順でエンゼルさんと交信し、無事に終わりの決まりごとまで済ませたあと、なぜだか怖い話をする流れになりました。
何人かが話し終わって私の番になり、渾身の怖い話を披露し終わった時のことです。

バーーーーーーーーーーン!!!!

教室の一番うしろの席の椅子がいきなり倒れたのです。

その瞬間、
「キャー!!」
私たちの悲鳴が学校に鳴り響きました。
荷物を持って教室を飛び出し、一目散に家に逃げ帰りました。
心臓がバクバクとうるさかったことを今でも覚えています。

次の日学校へ行ってクラスの皆に昨日の話をしたところ、段々と誰もこっくりさんやエンゼルさんをしよう!と口にしなくなり自然と流行は廃れました。

誰も触れていない椅子が倒れた理由は、未だにわかりません。

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