私は霊感がありません。
ですが、なんだか居心地が悪いなーここに長居したくないなーと思うことがあります。
親がを家を購入することになり、一緒に様々な物件を巡っていたときのことです。
その中で、妙に落ち着かない一軒家がありました。
そこは最寄り駅からは10分ほど歩いた住宅街の奥まったところに建っていた中古物件で、白い外壁に雨汚れがついた薄茶色のような…柵や壁にも蔦が巻き付いており、あまり綺麗とは言えない状態の見た目をしていました。
2階建てで現状渡しのため割引をしているとのことで、立地の割にはお得な物件ではありました。
中に入るとまずムワッとしたこもった埃っぽい空気と、やけにひんやりとした感覚に襲われました。
(気持ち悪いな…)
それが正直な第一印象でした。
不動産屋が窓を開け、部屋を案内していきます。
そこで異変が起こりました。
私は急に2階が見たくてたまらなくなったのです。
電気もついていない知らない家の中なのに、私は一人で階段を上がり手前にあった部屋の扉に手をかけました。
その瞬間、記憶が飛び気付いたときにはその部屋にあった押し入れの中で体育座りをしていました。
自分でも何が起こったのかわかりませんでしたが、なんだかそこから出たくないのです。逆にここにいないと危ないと本能的に感じるような、不思議な気持ちでした。
どのくらいそうしていたでしょうか。
2階にあがってきた母が私を見つけ「そんなところで何してるの」と笑いました。その瞬間、急にゾッとして押し入れから飛び出して家から早く出たくてたまらなくなったのです。
母にもう帰ろうと伝え、いそいそと家を出て不動産屋の車に乗り込みました。
あの家には、長居したくない何かがありました。
口では説明できない、不思議な感覚と嫌悪感。私以外にも感じたことがある人はいるでしょうか?
母や不動産屋には話しても、わかってもらえませんでした。
あれは霊なのか、本能的なものなのか、ただの勘違いや気分の問題なのか…
これを読んでいる人の中で同じ感覚になったことがある人がいたら、教えてほしいです。