この話は私の知り合いのAさんの中学時代の実話です。
このAさんは代々ある程度の霊感があるらしくその例に漏れずAさん自身にも霊感があり、昔から見える、感じるということが多々あるそうでした。
なので多少の心霊現象には耐性があるそうでした。
そんなAさんがある日、中学の部活で帰宅が遅くなってしまった時です。
もう日が沈み、辺りには街灯が灯っているような時間帯に、真っ暗な体育館に人影が見えたのです。
最初は見廻りの先生だろうか・・・?と、思ったのですがにしては身長が低い。
おかしいと思ったAさんの目が暗闇に慣れてきた時、それが先生などでは無く少女だと気付いたのです。
その少女は小学校低学年くらいで赤いカッパを着ていたのですがその少女と目が合った瞬間、一瞬にしてAさんは青ざめました。
首が横に90度以上回っているのです。
Aさんはダッシュで自分の自転車に乗り、家に向かいました。
すると、学校側からまるでAさんを追いかけるかの様に灯っていた街灯がフッ…と消えていくのです。
だんだんと背後に街灯が近づいて追いつかれそうになった瞬間、人気の多い街中に出たのです。
振り返ると先程まで消えていたはずの街灯は何事も無かったかの様に暗い夜道を照らしていたのです。
それからAさんはその少女を見ることはありませんでした。
それから10年以上経った今でもAさんはその少女のことを時折思い出すそうです。
目が合った時にとても嬉しそうな表情を浮かべたその少女を。