私が13歳の時の話です。
うちの近所には何年か前から誰も住んでない家がありました。
林の中にぽつんとあるその家は昭和からあるような和風の家で建物の周りは雑草が沢山生えており、外壁もないので家の周りに行けるようになっていました。
私は同級生の友人2人、計3人で放課後、その家に冒険感覚で行くことになりました。
午後4時頃人通りも少なくなってきた頃、私たちはその家に着きました。
友人Aは行動力があり、開かないドアをガチャガチャと開けようとしたり家の中を覗こうとしてました。
友人Bは内気な性格で建物から少し離れ私たちのことを眺めてました。
友人Bは待っていると言うので、私と友人Aは建物に入ろうとした所、1つの扉が壊れて開いていたのでその中に入っていきました。
中は埃っぽい匂いがあるリビングで高そうなソファ、机、キッチンがありました。ブラウン管のテレビは埃を完全に被っていました。
ドキドキしながら建物を模索しました。床もキイキイと音を立てており、一階には和室やトイレ、物置があり、私達は二階に向かい別行動をとりました。
私が入ったのは寝室でベットが2つと机があるだけでした。
埃臭いので息を潜めるようにして、机の引き出しをあけてみると写真が1枚あってこの家の前で撮られた夫婦の写真でした。
こちらを睨むように見つめる夫と、白髪で無表情な妻の写真。
とても夫婦とは思えませんでした。
写真を戻して友人Aの部屋に向かいました。
友人Aが入っていったのは2階の一番奥の部屋。
「Aくん!?」と声を出して入るとそこは書斎のような部屋でした。
私「Aくん、すごい本の数だね、」
A「だね、本が好きだったのかな」
なんて話をしていた時、
キイ…..キイ…
と、廊下から床の軋む音がしました。
私「Bくん?」
ま、まさか、あいつが1人で来れるわけが無い
私「こ、ここに隠れよ」
A「は?」
私「いいから早く!」
そうして私はAを連れて書斎の本棚の物陰に隠れました。
怖い、、怖い、まさか、幽霊?
ドキドキと心音がうるさい。
すると、ゆっくりとドアが開きました。私とAは身を引くくしました。
コツ、、コツ
と音を立て近づいてくる。
するとゆっくりとこちらに来る何かは姿を現しました。そして私は見たんです、
私「ひっっ!!」
私は気づけばAの手を握り走っていました。逃げ足で階段をおりる。リビングな入り、入ってきたドアを開けようとしました。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
何度開けようとしても開かなかった。
私「Bくん!あけて!たすけて!」
A「どうしたんだよ!」
私「見てなかったの!?」
A「見たって、、何をだよ、」
私「幽霊だよ!!」
A「幽霊?俺は見てないよ!何言ってんだよ!」
私「もう、Bくんっ!!!Bくん!!!!」
コツ、、コツ
階段を降りてくる音がする。
殺される。小さかった私でも、死を感じました。
やばいやばい。
そして階段を降りてくる音はやみました。
その代わりにリビングの扉に影がありました。
私「Bくん!!」
ゆっくりと扉が開く。
ガチャ!
開いたのは私が開けようとした扉でした。
B「だ、大丈夫!どうしたの?」
A「幽霊を見たって言うんだよ!」
私「だってほら、あそこに!!」
振り返るともうそこには何もいなかった。そこはただのリビングルームだった。
幽霊などいない、ただの部屋。
でも、私は見たんです、あの老婆の、あの家の住人だったあの女の人の顔を。
それから私はあの家には近づいてない。
2年後その家は工事で壊され、今は新しいアパートが建てられ、人も住んでいる。
それでも私はたまに感じる。
今も尚、どこかであの幽霊は僕のことを見ているのかもしれないことを。