この体験は10年以上前に私が実際に体験した出来事です。
当時、私は美容師になって1年、やっと仕事にも慣れ、休みも安定して貰え始めた夏頃でした。
高校生から憧れだった大きなスクーターの免許。仕事の休みを利用しコツコツと教習所に通いつめ取得。
人生初めての愛車を相棒にK県のS湖へ趣味の釣りをする為、朝から胸を高鳴らせ走っていました。
30分程走っていたころでしょうか。
目の前にトンネルが。
コンクリートでしっかり作られた物では無く昔の石を積み上げた長さ10m程のトンネルが目の前に見えてきました。
40キロほどで走っていたと思います。
トンネル手前で何故かセンターラインの方へバイクの車体が引っ張られるような感じがしました。
焦った私は反対へ必死にハンドルを切り急ブレーキをかけました。
前方のトンネルからは白いファミリーカーが。
トンネル突入直前で止まることができ衝突は免れました。
ただ、この時すれ違ったファミリーカーの男性がこちらを見てニヤニヤしていた事に気付き気持ち悪さを覚えました。
気を取り直し目的地へ。
釣りを満喫し帰宅。
この1回目の釣行からしばらく経った秋頃。
2回目のS湖へ。
1回目と同じ道を走った筈なのに。
2回目に走った時通らなかったんです。
何故か無かったんです。
あのトンネル。
冷や汗と恐怖がふつふつと湧き始め、釣りどころではなくなりS湖から慌てて来た道を引き返し帰宅しました。
あのトンネルは何だったのか。
そしてすれ違った白のファミリーカーと男性は一体何だったのか。
今となっては知らないままが良いのかなと思っています。