樹海の祟り 投稿者:東京のカレー屋

20年以上も前の話です。

当時18歳だった自分は関西に住んでおり、よく東京に遊びに来てたのですがやはりお金のない10代、在来線を乗り継いで少しでも旅費を安くしたりしてました。そんな感じでいつものように東京に遊びに来ていた際の帰り、友人が車で関西に行くというので乗せてってあげるよと言ってくれ喜んでお言葉に甘えました。

東京から山梨を通り長野、愛知を通り関西に向かっていたのですがその時にかの有名な青木ヶ原樹海の標識を見つけました。

『おお、これあの有名な樹海やん!ちょっと寄ってこ!』
と深夜にも関わらず樹海探索を始めてしまう怖いもの知らずな2人。

とはいえさすがに深入りはせず帰る道もわかるようにと車のエンジンは掛けっぱなしで進みました。
軽く50Mほど入った程度で引き返してきたのですがここはもう罰当たり度マックスな10代男子、『ここらの樹って人の養分吸ったりして育ってるんじゃね?枝とか地元の友達の土産にするわ(笑)』とか面白半分に落ちてる枝を拾って行きました。
そんなこんなで地元関西に到着、送ってくれた友人に礼を言い帰路へ。

自分は地元にバイク仲間がおり、当時バイクを手に入れたばかりの自分たちはよく朝方にいろんなところをバイクで遊んでいました。

ちょうどお土産(枝)を渡そうと持ってきており、友達の後部座席のベルトに枝を挟んでやりました。

友達は『なにこれ?枝?』と不思議がり自分は『おう、それ青木ヶ原樹海の枝やで(笑)』というと友人は『嘘やろ!?おまえなんてもん付けんねん!!』と若干ビビりつつも意地を張り枝を取ろうとはしませんでした。

そんなこんなでいつものように道路をバイクを走らせ遊んでいたのですがその日の道路、途中から車線が増える為そのまま進むとその直進先が、広がった反対車線になってしまうので若干左に移動しなくてはいけません。
まあなんてことはないので自分は普通に左に少し移動しつつ、ふと横を見ると何故か友人が左に寄りません。

進行方向を変えようとしたと思うのですが変えきれず、ハンドルがフラフラっとなったかと思うと直後、友人はそのまま中央分離帯に正面から突っ込んでしまう形となりました。

横で並走しながら見ていたのでよく覚えていますが前につんのめる形で吹っ飛ぶバイク、ハンドル握ったままの姿勢で前向きに綺麗に1回転しそのまま中央分離帯の茂みにダイブする友人。

幸いにも分離帯の茂みがクッションとなり切り傷のみで友人もバイクも無事でした。

『何しとん?大丈夫か??』と問うと友人は『わからん、わからん、わからん』と明らかに混乱している様子。
とはいえ大事に至らなかったからか当時は
『おお、早速樹海の呪いきたやん!!(笑)』と笑いましたが今考えるとガチのやつすぎて笑えませんよね。

悪戯半分で樹海に落ちている物を持って帰るのはやめましょう。

ちなみにその枝は事故の際に取れてしまったのか茂みと見分けがつかなくなり回収不可能となりました。

余談ではありますが樹海探索から車に戻った際、1台のトラックが止まっており運ちゃんが心配そうな顔でこちらを見ていました。
確かに深夜にエンジンかけっぱなしの無人の車が樹海脇に止まっていたらタダごとじゃないと思うわなー、と。

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